引越しの相談 Q.引越し業者からダンボールをもらったがキャンセルしたい
先日、引越し業者に見積もりに来てもらって契約しましたが、営業があまりにも頼りないので他の引越し業者に依頼しようと思います。
契約した引越し業者からダンボールやガムテープをもらっていますがキャンセルするとキャンセル料はかかりますか?
キャンセルするともらったダンボールは買い取りになりますか?
ダンボールの返却は取りに来てくれますか?
目次
A.引越しの2日前までキャンセル料はかかりません
引越しサービスは引越しの前々日までであれば、標準引越運送約款でキャンセル料がかからないようになっています。
- 標準引越運送約款、第8章の第20条 2前項の解約手数料又は延期手数料の額は、次の各号のとおりとします。
1.見積書に記載した受取日の前日に解約又は受取日の延期の指図をしたとき見積書に記載した運賃の10パーセント以内
2.見積書に記載した受取日の当日に解約又は受取日の延期の指図をしたとき見積書に記載した運賃の20パーセント以内
A.引越しをキャンセルすると契約時にもらったダンボールなどの梱包資材代金を請求、または梱包資材の返却を要求されます
引越しの契約時に引越し業者から受け取った梱包資材は、見積書に書いてある代金で買い取るか、引越し業者に返却しなければなりません。
- 標準引越運送約款、第8章の第20条 2前項の解約手数料又は延期手数料の額は、次の各号のとおりとします。
3.解約の原因が荷送人の責任による場合には、解約手数料とは別に、当店が既に実施・又は着手した附帯サービスに要した費用(見積書に明記したものに限る)を収受します。
引越し業者からすれば、契約の時に渡したダンボール、ガムテープ、その他の梱包資材は「当店が既に実施・又は着手した附帯サービス」に該当します。
ですから引越し業者はキャンセル料とは別にダンボールなどの資材代を請求することができるわけです。
引越しの契約時に特に確認せずにダンボールを受け取ってしまうと、キャンセルした時に返却を求められる
契約時に引越し業者から受け取ったダンボールなどの資材は、引越しのキャンセルと同時に返却すれば代金を請求されることはありません。
自動車があるユーザーならユーザー自信が引越し業者に持ち込めばキャンセルした引越し業者には1円も払う必要はありません。
しかし、引越し業者の1営業所はかなり広い範囲をカバーしていることが多く、とんでもなく遠い場所にあったりします。
実際に引越し業者の営業所の所在地は、ユーザーがダンボールを返却すること自体、困難な場所であることも珍しくありません。
また、引越しをキャンセルするためにダンボールを返却するする労力は、資材の代金に見合わないものであったりします。
宅配便などで引越し業者宛に送る方法もありますが、ダンボールは嵩張るうえに重量がありますから、送料はかなりの金額になります。
もし、引越し業者からもらった資材を一部でも使ってしまっていたら返却することはできませんから、引越しをキャンセルするタイミングで資材代金を請求されます。
引越しの契約時に特に確認せずにダンボールを受け取ってしまうと、キャンセルした時に梱包資材の代金を請求される
引越し業者を決めてダンボールを受け取ったあとで引越しをキャンセルすると、受け取っていたダンボールは見積書に記載してある価格での買取りを求められます。
これは「ダンボール50枚無料サービス」と謳っている引越し業者であっても同じです。
ダンボール無料サービスは「ご制約時に」という条件をつけていますから、引越しをキャンセルすることで「ご制約」の条件が外れてしまいますので、資材代を請求されることになります。
お手元の見積書を見てください。
たいていの場合、引越し業者が作成する見積書にはダンボールなどの資材代を一旦正規金額で記入したうえで値引きし、サービスと書き込んでいます。
万一、引越しをキャンセルされた時に資材代を請求できるよう、しっかりと記入しているのです。
キャンセルされた引越し業者は返却するダンボールを取りに来てくれない
引越し業者はサービスをキャンセルされるわけですから、キャンセルしたユーザーのために動くことはまずありません。
「見積もりの際に強引にダンボールを置いていった」「キャンセルしても返さなくていいと言った」など、見積もりの際に引越し業者側に落ち度がない限り、キャンセルされた引越し業者がダンボールを引き取りに来てくれることはありません。
無料ダンボールは引越し業者のキャンセル防止のための秘策
引越し業者が無料でダンボールを提供してくれるのはユーザーにとってとても大きなメリットです。
引越しにはダンボールが必需品ですし、自分の荷物の荷造りに必要なダンボールの枚数もわかります。
ユーザーにとって引越し業者から無料でダンボールを提供してもらうデメリットは、まさにこのキャンセルの時にのみ発生します。
物理的に引越しをキャンセルしづらくなる
引越し業者が無料でダンボールを提供してくれるのは、引越しをキャンセルしなければメリットしかありません。
引越しの日時の変更や日延べで、引越し業者を替えない場合は「引き続きダンボールをお使いください」ということになりますから、引越しをキャンセルする時にのみ発生するデメリットと言えます。
引越し業者からダンボールをもらったあとで上手にキャンセルする方法
引越し業者からダンボールをもらった後で上手に引越しをキャンセルするには、他の引越し業者から見積もりを取る時に「前の引越し業者のダンボールを返却する」という条件を付け加えることです。
引越しを実際に依頼する引越し業者に、キャンセルした引越し業者が置いていったダンボールを処理してもらうのです。
キャンセルした引越し業者へのダンボールの返却を利用する引越し業社に頼む
実際、引越し業者の営業マンのほとんどは、前の引越し業者が置いていったダンボールを返しに行った経験があります。
引越し業界ではよくあることです。
引越し業者の営業所が遠方だった場合や、気の弱い営業マンなどは、たとえ近くに返却するべき営業所があっても、一旦自社に帰ってから宅配便を使ってダンボールなどの資材をユーザー名義で返送します。
ですから引越し業者間のトラブルは全くありません。
これでユーザーが心配することはなにもなくなるのです。
この方法は一旦契約した引越し業者に不信、不安があり、引越しを依頼する引越し業者だけを替える場合にのみ有効な方法です。
引越し自体をやめるときには使えません。
契約した引越し業者に不信、不安があったわけではなく、引越し自体が延期、中止になった場合、ダンボールを提供した引越し業者によく相談してください。
次の引越しをその引越し業者に依頼する約束をすれば、たいていの場合ダンボールはそのまま使わせてもらえるはずです。